先日の『ツール・ド・八ヶ岳』は雨でした。
数日前から雨予報。当日は朝から雨。幸い気温はそれほど低くなく、出走前には晴れ間も見えましたが、走り出せばザーザー降り。コース上には雨水の川ができ、水たまりをバシャバシャと進むような状態でした。ゴール近くではリムハイトが高ければバイクをもっていかれそうな風が吹き、アドレナリン全開で完走しましたが、客観的に考えると「4月の八ヶ岳を雨に打たれながら薄着で駆け上がる」かなりヤバイ1時間を過ごしました。幸い私は震えることなく走り終え、寒い思いをせず自力下山することができましたが、ゴール後には更衣室に震えながらやってくる女性選手も…。
雨のレース、今回はDNS(出走せず)の方も多くいらっしゃいました。雨に打たれ体調を崩したり、下山に慣れていない人が自走で下山するのはリスクが高いです。DNSも賢明な判断だと思います。春先の山をなめちゃいけない。仕事をはじめ、生活は翌日からも続きます。
「参戦一択!雨なんてへっちゃらさ!」という人はいいのですが「参戦一択!でも、雨のレースに万全の体調で出走できるのか…体調を崩さないか…」という人は対策をたててみるのも良いかもしれません。「雨にうたれると風邪をひく」というのは、ざっくりいうと
雨にうたれる→体が濡れる→乾かすために体温がもっていかれる(気化熱)→体温が下がる、冷える(血流不良、パフォーマンス低下)→免疫機能が下がる→体調を崩す
こういう流れだと思います(他の視点もあると思いますが、一つの考え方として)。風邪をひくのも、パフォーマンスの低下も防ぎたい。
今回、大宅が行った雨の日対策をご紹介します。当たり前のことが多いのですが、当たり前のABC(当たり前のことをばかにせずちゃんとやる)ということで。
【レース前日~当日朝(ホテル)】
①体を冷やさない
レース当日を迎える前から体を冷やさないようにします。車移動ですが、温かい格好で。試走後もすぐ着替えをして汗冷えを防ぎました。
②温かいものをとる
食事や飲み物は温かいものをとりました。ペットボトルのものも常温で。内臓を冷やさない(これは雨でなくても消化に関わるので行っています)。
③アップオイルとレインジェルを塗り込む
アップオイルを塗って体をあたため、レインジェルで膜をつくるイメージです。厚めに塗ります。脚、臀部に加え、体の前面首元からおなかまでしっかりと。これが本当に大切です。肌が雨水を弾くと、それほど冷えずにすむ感じがします。愛用してます。なくなったらまた買います。
【レース前】
④できるだけ濡れない
移動は上からカッパを着ます。持ち運びは若干かさばりますし、走るときにごわつくのですが、最優先はウエアを濡らさない。特に内臓周りは死守する、です。
↓こういうレベルのものを着ます。1着あると通勤なども含め、雨の日が気楽になります。
⑤直前までウインドブレーカーを着用する
サポートしてくれる仲間がいない人が大半だと思いますが、荷物預かりに渡すか着ているか迷う時は着ているようにしています。レーススタートまでに冷たい風が吹いたり雨がぱらつくことがあるからです。私はポケットに入れたウインドブレーカーの重さや空気抵抗より、体が冷えないことに比重を置いています。ポケットに入れることやかさばることが気になるのであれば、超薄手のウインドブレーカーが良いと思います。これからの時期、ライド中冷えた場合の非常用にもなります。
↓すごく薄いので、ポケットがかさばりません。
⑥ほっかいろ!
「えー、それはやりすぎでしょ」「暑くないの?」という声が聞こえてきそうです…が、寒いからやってるんです。本当に汗かくくらい暑かったら使いません。なんとなく冷えそうだな…と思ったら朝からおなかにホッカイロ。ヒルクライムレースは、出走前に数十分コース上で待つことになるので、雨風や寒さをしのぐことができません。自分を守れるのは自分だけ。今回はスタート3分前にウインドブレーカーを脱ぐのと同時に外しました。ポケットに入れるとき、ウインドブレーカーの外側に貼って背中から離したら熱くはありませんでした。この時期のレース限定の作戦です。でも、結果的にはおなかが冷えなくて良かったです。
【レース後】
⑦すぐ着替える
雨のレースはタオルと着替えを必ず預けておきます。雨の中の自力下山、濡れていたら凍えて風邪をひきます。判断力の低下や、ブレーキがかけられない事態にもなりえます。
着替えるときは、体をしっかりと拭き(水分を残さない!)下着まで全部乾いているものと取り替えます。レースで使ったものは全てビニル袋の中へ。
ゴール後にだらだら過ごし、冷えてからでは遅いです。着替えは冷え切る前に。下着の上から替えのシャツやサイクルジャージを着ます。気温が低ければ薄手のダウンを重ねます。下も暖パンなどの暖かいズボンを重ねてから、防水カッパを上下着ました。靴下も替えましょう。どうせ濡れるとしても、下山を待つ間だけでも冷えずに済むと寒さが全然違います。やや冷えていれば、ホッカイロも装着。
ネックウォーマー、インナーキャップ、防水グローブ。シューズカバー。やりすぎなくらい念入りに。とりあえず、下り始める時点では「濡れていない」「寒くない」状態になっておきましょう。体温を上げてから下山スタートです。
もし気温が低くなくても、濡れると冷えます。装備が過剰であれば外せばいいのですが、足りなければ壮絶な下山が待っています(その後体調を崩すこと必至)。ヒルクライム(特に下山)をなめてはいけません。数年前のツール・ド・草津では下山を終えたときに睫毛についた雫が凍りました。つい先日までスキーをしていたところを自転車で下るのです。しっかり準備しましょう。備えあれば憂いなし!
今回はほとんど濡れず、冷えることなく下山。無事に埼玉まで車を走らせ帰宅することができました。帰るまでがレースです。余力を残し、無事に帰ることが大切。
翌日以降も風邪をひかなかったのは、この対策の成果だと思います。
と、まあやりすぎ感もありますが、寒い思いをしなかったのでOKです。まだしばらく寒いレースやイベントが続きます。防寒&雨対策をしっかりとして、当日を楽しみましょう(*´ω`*)
↓愛用品。レインジェルがあると、雨の日も安心して走れます
↓これからの時期はミニサイズがちょうどよいです。