おおやようこの自転車とヨガと子育てと

自転車に乗ることが好きで、自転車にまつわる仕事をしているサイクリストヨガ講師の大宅陽子のブログです。自転車、子育て、暮らしにまつわることを書いています。

「ラン」の座学セミナー。アスリートヨガ、ランニング講習、そしてヨガ。

 

先週の水曜日にアスリートヨガ事務局の座学セミナーとアスリートヨガ、初心者向けランニング体験に参加してきました。

私は昨年アスリートヨガ指導員初級の講座の受講を修了しており、このイベントはフォローアップ研修も兼ねていました。

www.athleteyoga.jp

 一般財団法人アスリートヨガ事務局とは、アスリートに向けたトレーニングにヨガが関わるための様々な取り組みを統括する団体であり、アスリートが現在行っているトレーニングの効果を増幅する「レバレッジトレーニング」としてヨガを位置づけ、既存トレーニングに取り入れやすいメソッドを提供しています(事務局パンフレットより要約)。

簡単に言うと、アスリート(スポーツに真剣に向き合う人)がトレーニングの効果を向上させるために取り入れると良いヨガの要素を、レッスン等を通じて提供するのがアスリートヨガです。

そのため、競技特性やアスリートの状態によってニーズも変わり、それに応じてプログラムも変えています。現在団体はプロスポーツ選手やチームからスポーツを楽しむ人々まで幅広くヨガレッスンを提供しています。私もその一環として年末のAOYAMA CHRISTMAS FORESTでヨガレッスンを担当させていただきました。

私は元々サイクリスト向けにヨガレッスンをしていましたが、今後アスリートへの指導をし、よりスポーツ業界へ関わる際に知っておくべきこと、ヨガの深い知識や具体的なテクニック等を知りたいと思い講習を受けました。この講義には「スポーツ選手にはこのレッスンプログラムをすればいいですよ」といった意味での正解はありません。私はそれがとても良いと感じました。

さて、前置きが長くなりました。以下、レポです。

セミナーのテーマは「ランニングと瞑想の可能性-ランにおけるヨガとは」講師はランニングコーチの細野史晃先生。内容は、走るときに抑えるべき要素や指導方法について。そして、ランニングと瞑想について。

印象的だったのは「動きの癖は過去の成功体験に基づいていることがある」という話です。自転車であれば、「フォームはこういう風に」「ペダリングは〇〇を意識する」と教わったり読んだりして、実際に試したとき速くなった、もしくは速くなったような気がすると、脳がその動きを学習します。沢山の情報を取り入れ経験を積み重ね、競技能力を向上させていく中でスランプに陥ったとき、もしかしたらその過去に取り入れた動きの癖が原因となっているのかもしれません。その時、どうアクションをしていくか。その1つの方法として、ヨガの思考や瞑想で「過去」の成功体験を手放し、トレーニングを客観的に見つめることがスランプや壁を乗り越えるヒントになるのではないか、という議論になりました。

余談ですが、細野先生と話をしたところ、同じ埼玉大学教育学部の同期だということが判明しました。「どっかで見たことがあると思った」と言われ「ほんまかいな」と思いましたが、話をするうちに浮かんだ彼の不敵な笑みには見覚えがある気がします。彼は体育専修、私は国語専修。体育と国語は概論や実技など様々な授業がセットで組まれていて、結構な頻度で同じ教室で講義を受けていました。埼玉で学校の先生になれば右を向いても左を向いても同期だらけですが、まさかこんなところで再会するとは。世間は狭い。

そして、アスリートヨガはケンハラクマ先生。日本のヨガ界の第一人者であり、アスリートヨガ事務局の代表理事です。先日まで海外合宿中のサッカーチームにヨガの指導をしていらしたそうです。内容もさることながら、言葉に力のある先生です。ターゲットとなる筋肉に刺激を入れ、ランニングコーチの大角重人先生にバトンタッチ。ランニング指導をいただきながら、皆で夜の表参道をジョギングしました。体への意識の向けさせ方がシンプルでとても分かりやすかったです。そしてその言葉の裏はとても深い。スタジオに戻り、クールダウンのヨガ。実際に運動を挟んでヨガのレッスンを受けると、体の中の動き、筋緊張や脱力の様子がよく分かります。

 

 教えるプロは学ぶプロ。人に指導をする以上、正しい知識と理解を蓄え続けることは必須です。教え方や言葉のチョイス、自身の体感の気づき等、よい勉強になりました。自転車を中心に他のスポーツも楽しみ、理解も深めていきたいと思いました。この経験は今後のヨガレッスンに生かしていこうと思います。

↓細野先生の著書。ランニングコーチの域を越えて活動されています。